冷蔵庫の科学   (正しい節電 及び 計画停電に備えて

※元としたデータは省エネルギーセンターの実施による測定データと熱計算手順に準拠します。 「第1414号 エネルギー管理士(熱)」 
但し、新聞等の一般広報とは内容が違います。
ps:冷蔵室に詰め込むと電気を多く食うと言う広報は・・・大型冷蔵庫を売るための宣伝効果じゃなかろうかと。
で、同じ冷蔵物を冷蔵保存する場合(冷凍機効率&断熱性能は同じとすると)大型冷蔵庫にゆったり保存したほうが増エネとなってしまいます。
(取り出すために扉を開ける時間が少なくて済むと言う利点も考えられますが、より多くの冷気が流れだしてしまいますので、行って来いのドッコイショとなります。)


冷蔵庫は何故冷えるか

原理はエアコンと同じで、庫内が冷房で冷蔵庫外面(多くは側面か背面)が室外機相当の排熱となります。
庫内の熱を庫外に熱を汲み出すヒートポンプであることに違いはありません。
一部簡易的な物は熱電素子を利用した電子冷却する物がありますが、現状効率が低いため冷やすためにより多くの電気が必要です。

基本 よく(早く)冷える=エネルギーを多く使う。  あまり(遅い)冷えない=エネルギーを余り使わない。
但し、冷蔵庫の性能が悪くて冷えない場合は、この物理法則に反することもあるので買い換えを検討してください。


冷蔵庫の熱勘定
1 冷蔵品の温度を下げるための熱量 (室温から冷蔵温度まで下げるために費やされるエネルギー)
これは、ほぼ水分の重量の影響が大部分で、容器などの大きさでは殆ど変わりません。
庫内の冷却は、庫内の空気を冷やして、その冷気で品物が冷えることになり、冷気は重くなるために下に流れ、庫内を対流します。
この対流により品物が冷やされるので、対流しやすい方が品物は早く冷えますが、その分エネルギーは多く消費します。
※ただし、温度センサーを塞ぐと冷却器のみ過剰に冷却されヒートポンプ効率が大きく低減するので注意が必要です

2 冷蔵庫内を冷蔵温度に保つための熱量(庫内が空でも満室であっても変わらない最低の必要エネルギー)
冷蔵庫の断熱構造によって左右されますが、ほぼ冷蔵庫の表面積に比例して大きくなります。
また、ドアのシール部が汚れいていたり、破損していると冷気が常時流失する損失が加算されます。

3 ドアの開け閉めにより、流失する冷気の熱量(ドアを開けるたびに冷気と外気が入れ代わり、外気を再冷却するためのエネルギー)
上下に長い観音開きドアは冷気が下に流れ出し、上部から外気が流入して対流による入れ替わりが大きくなります。
一方、引き出し式では、冷気は引き出しの中に留まるために冷気の入れ替わりは少なくなります。
ただ、ドアの開いている時間が短くても、冷気の入れ替わりは短時間で行われるので、開ける時間よりも開ける回数の影響が大きくなります。

4 庫内照明の発熱による熱量 (特に白熱球庫内照明は結構な熱でます)
多くはコストの関係で白熱球が利用されています。

冷凍庫では上記1に加えて、冷凍(水が氷になる)為の潜熱が附加され、冷蔵に比べて冷凍するためのエネルギーが非常に大きくなります。

以上が熱の出入りで、これ以外に冷蔵庫自体のヒートポンプ性能により、負荷による冷蔵庫自身の効率的な問題もありますが
これは、さらに省エネ性能の高い物に買い換えるしか有りません。


要因別節電法 (熱勘定項目に沿っての節電効果)
1〜4全て  (節電効果が大きい)
a 庫内設定温度を上げる(許されるならこれが一番効果が大きくなります)
庫内に温度計を入れおいて目安にすると冷やしすぎの調節の目処が立てやすくなります。
b 冷蔵庫背面、側面の放熱器をよく冷えるようにする(触ると暖かいので風通しをよくするとヒートポンプの効率が上がります)
放熱器で暖められた空気は上に上がるので、上下に空気が流れやすい様に隙間を多めに開けると効果的。
c 冷蔵庫の電源を抜く(反則ワザですが、長期に使わないときは庫内を空にして思い切って切ってしまいます)

1冷蔵品 (物が冷えるまでの一時的な物となるので一般的な利用に於いては大きな節電効果ではない)
a 不必要な物を冷やさない(冷やしっぱなしのものはそのままでよいが、新しく物を入れない、出したら早く戻す)
b 頻繁に冷蔵品の出し入れをしない(取り出した物は暖まり、再度冷却されます)
c 不要な水分を捨ててから冷やす
d 冷蔵温度低めの物は上段に入れる(冷気は上から下に流れるため上の方が早く冷却される)
e 冷蔵でよい物は冷凍しない(水を凍らせるのは大きなエネルギーが必要です)
※冷凍庫も冷蔵庫も保冷に関しては同じですが、冷凍に要するエネルギーだけは格段に違います。
f 解凍は早めに冷蔵庫内上の段で行う(氷のエネルギーを回収利用します)
g 温度の高いものを高いまま冷蔵するときは、まず一番下の段に入れる。(基本的には室温まで冷まして)

2 保冷 (節電効果は小さいものの、常時の節電となるので年間を通すと比較的効果的tなる)
a 必要以上の大きな冷蔵庫を使わない。(冷蔵品をクーラーボックスなどで保管することも同じく節電と逆効果となります)
冷蔵庫を複数台利用している場合は、一台で済むように詰め込み、空いた冷蔵庫は電源を切る。
b 熱くならないドアなどの外面に断熱シートを貼る断熱強化(放熱器を断熱すると逆効果ですがドアなど多少の効果が有るはずです)
庫内面も同じく、冷却器以外の所を断熱すると効果は有るはずですが、現在の冷蔵庫の断熱性能はクーラーボックスなどより格段によいので
オタクでない限り必要ないでしょう。もし触って冷たくなっているところが有るなら効果が大きいかも知れません。
c 扉のシールを掃除する。よりよくはサラダオイルなどを表面に塗って気密を高める。

3 冷気 (回数によるが、一般的に思われているより効果は小さい)
a ドアの開閉をしない、なるべく短時間(冷気を水だと考えれば、流れ出ている様子が想像できると思います)
ドアの開いているとき警報を出して、心理的にドアを開時間を短縮する。 参考 http://www.youtube.com/watch?v=o0Qbt-IbLjI
b 小物などをトレイ入れて庫内に入れる(トレイの中の冷気はこぼれにくいので冷気の損失が少なくなり、物の探索が素早く出来ます)
c 冷蔵省エネカーテンは短く棚毎に分割(カーテンのように縦に長いと開いたときに冷気が多く流れ出します)
※カーテンより棚に合わせたトレイを使って引き出し式にした方が冷気の流出防止には効果的と思います。
2011/7/2:TV目が点での検証では縦長カーテンは保冷効果が小さくて、
逆に冷蔵品探索取り出しに時間が懸かり逆効果であることが放送されてました。

(冷蔵庫の詰め込みについて以前投稿しましたが、こちらは無視されました)
d 庫内に詰め込み冷気自体の減量を計る。(冷気の対流が阻害され物が冷えにくくなりますが、節電にはなります)
冷蔵品の上段は冷気の流れを保つ目的で1-2cm程度の隙間で十分でしょう。ただし温度センサーは塞がない要注意。

4 照明
a 電球を外してしまう (ドアを締めたときに消灯しているかたまに確認した方がよい。)
b 白熱球をLEDに付け替える(冷蔵庫用の電球は特殊な口金が多く、難しい・・)



計画停電対策 (関東圏では日に3時間程度の停電になることなり、夏場にかけて冷蔵庫対策も必要になる)

1 冷蔵庫内にジュースなど重い物を詰め込む。(保冷剤でもよいが、保冷剤の中身は水である)
(水の持つ保冷エネルギーは結構おおきく、扉の開け閉めによる温度上昇をほぼ防ぐことが出来、水が冷えるまでちょっと電気を喰うが
冷えた後は、空でも電気消費量は変わらない)
2 解凍予定の冷凍品が有れば停電前に冷蔵庫で解凍する
(冷凍品の氷エネルギーは結構大きい)
3 設定温度を下げて、予め庫内の温度上昇を見込んで冷やす
(節電とはならないが、クーラーボックスに氷で保冷よりは節電になる)

※冷蔵庫の性能、利用状態により一概には停電時間で温度が何度で保持できるか保証は出来ないが、
低性能冷蔵庫でもクーラーボックスよりは高性能であろう。

気になる人は、一度1時間程度コンセントを抜いて、庫内の物(庫内の空気ではない)の温度変化を計ってみると良いであろう。
時間あたりの温度変化を停電時間で掛ければおよその状態を推定できる。

この時、室内温度の補正をして 
予想温度変化率 = 温度変化率 × (停電時の室内温度) / (計ったときの室内温度) × 停電時間
として計算すれば、冷蔵品をダメにすることなく最適な方法を設定することが出来るでしょう。


冷蔵庫の使用目的は物を冷やし、食物の腐敗を防ぐ事です。
よって、冷蔵雰囲気を炭酸ガスとすることによって、省エネ(冷気の断熱)及び腐敗防止(雑菌の混入、増殖を防ぐ)を実現可能となります。
これを容易に実現する技術が ガス比重層による大気遮断法  です