省エネ 熱力学


熱力学第1法則   (エネルギー保存の法則)
熱量はQで表わされ kcal W J の単位でその量を表わし、
このQは、外から 熱したり 冷却しなければ 変る事はない  と言う意味です。

理想的な魔法瓶では 中のお湯は 何万年経っても 冷めることはない。

熱力学第2法則   (エントロピー増大の法則)
エントロピーはSで表わされ S=Q(熱量)/T (絶対温度)と定義され
熱エネルギーの状態を表わす指数で、ほおって置けば Sは増大してしまう
つまり 高い温度の物は回りの低い温度の物に熱が移動して いつかは 同じ温度にまでなってしまうと言うことを意味しています。
ここで 高い温度(高い所)から低い温度(低い所)へは 何もしなくても同じ温度になろう(落下)とするが、その反対は何らかのエネルギー(持ち上げる)を与えてやらないと出来ないと言うことを表わしています。

温度は高いところから 低い所に流れて 溜まる。 決して逆流はしない。
利用可能なエネルギーとは温度差が大きいほど利用でき、温度差が無いと利用できない。

この法則より 永久機関は作ることは不可能で、熱エネルギーから電気や動力を作る時の熱効率が決まります。
この効率(η)は η=1-T2/T1 でその最大効率が与えられ、これを超えることは出来ません。

火力発電で 500℃(773K)の蒸気でタービンを回して 100℃(373K)まで冷却されたとすると
その最大効率は 1-373/773 = 52%
この温度を200℃(473K)から100℃(373K)とすると 1−373/473=21%
その差は2倍以上違ってきますから 温度の高い熱は エントロピーが低い(質の高い)エネルギーと言う事が出来ます。

ここで 発電の逆 ヒートポンプ(エアコンや冷蔵庫)はどうなるか エアコンで見てみましょう。
外気温が20℃(293K)で暖房温度25℃(298K) では η=1-293/298= 1.7%となり
熱量の1.7%のエネルギーで5℃の温度差を得ることができるようになります。
また 外気温が0℃(273K)で暖房温度25℃(298K) では η=1-273/298= 8.4%となり
25℃の温度差を得る為には5℃の温度差を得るのに効率が5倍も違ってくるので注意が必要です。
(実際はCOP「成績係数=熱量/消費電力」で 他の条件で大きく違ってくるので 普通COP=3−6と言うところです)

いくら省エネルギーを謳っている エアコンでも 温度差が大きいと 増エネルギーになっている可能性があります。
一般的には外気が0度以下では 霜取りのため 逆運転するので 更に効率は下がります

これに対し 電熱器(ヒーター)は 温度に関係なく 1KWH=860Kcal(灯油100cc程度)と一定で電気は100%熱に変ります。
なので COPが1以下になる条件下では 電気ストーブの方が省エネ且つ経済的になるわけですが メーカーがそのあたりのデータを余り公開していないので 一般の人には判断が付きにくいと思われます。
※遠赤外線とか温風またはストーブ 暖め方は違いますが 電力消費は全く同じです。
(1KWH 一般家庭で25円 灯油だと750円/18Lにて 1KWH熱量換算 4円程度 となります)
 

熱力学に沿った 省エネ術 基本
1 電気は質の高いエネルギー
2 温熱で使われる熱エネルギーは質の低いエネルギー
3 質の高いエネルギーから質の低いエネルギーには容易に変換
4 質の低いエネルギーから質の高いエネルギーに変換するには別のエネルギーが必要
5 エネルギーは蓄えることができる
6 エネルギーは蓄えていても別のエネルギーが必要になることは無い

これらのことから
1 質の高いエネルギーは質の高いエネルギーのまま利用する
    (電気は電気でなければ利用することの出来ないものに利用する)
2 質の低いエネルギーは利用できればそのまま利用する
    (温水などは 廃熱を優先利用する)
3 質の低いエネルギーに質の高いエネルギーで補って利用する
    (ぬるいお湯でも 熱湯で追い加熱すれば 水から加熱するより熱量が少ない)
4 質の高いエネルギーを利用する時は必ず質の低いエネルギーが生まれる
    (電気を使うと 必ず発熱する)
5 質の高いエネルギーが余剰している時は優先的に蓄える
    (深夜電力は積極的に貯蔵する)

熱力学について もっと勉強されたい方は 専門書の購入をお勧めします。
また エントロピーと言う言葉は 熱力学以外でも 良く用いられますが
この場合は 雑さ加減  とゆうか
キチンと片付いた部屋はエントピーが低く 散らかった部屋はエントロピーが増大していて
誰かが 片付けない限りは 部屋は散らかってゆく(エントロピーは増大する) と言う意味合いで使われているようです。

便宜的に熱力学の”エントロピー”と言う言葉を使っているので 中には可笑しな用法も見かけます
あくまでも 熱に関しての法則で、他のものにこれが当てはまるか どうかは別問題です。

良く似た言葉に エンタルピー と言うものがありますが エントロピーとは違います(後は調べてください)