高度太陽熱発電所計画       2011/2/6 



1 低コスト
 太陽光をヘリオスタットにて高度に集光(1000倍以上)する
従来の1平面角度駆動型ではコストが懸かっていたミラーの駆動支持方式を平面リンク方式として1/10にコスト圧縮する。
また、ミラーの立体配置により建設地表面積を縮小して建設費およびメンテ費用を圧縮する。
  ミラー1m2あたりの設備費を100ドル以下を目標とする。

2 高効率  圧縮熱空気機関で高温(1000度以上)にて熱から動力に変換する
太陽光集光によりタングステンまたはセラミック等の高温耐熱体で光を熱に変換し、空気(熱力的にはHeが望ましい)を高温(2000度程度は実用可)に加熱後、加熱気体の定圧膨張による熱サイクルにより動力に変換する。
※蒸気による熱機関では作動温度が低くなるので理論的に高効率が望めない、またスターリング機関であっても超高温の作動は難しい。


3 蓄エネ  動力から空気を圧縮して高圧空気とその時の生成熱を分離して、熱と圧力個別に蓄積する。
 現在太陽熱発電の出力の安定化に考えられているものは、太陽熱を塩を溶かして溶解熱(潜熱)として
ある程度の高温で蓄熱する方法が考えられている。 しかし設備が複雑で効率もそれほど高くなく多くの問題を抱えている。

そこで空気を圧縮して蓄える方法で考えると、一般的には高温高圧で蓄えるとエネルギーは全て保存されるが
高温高圧の容器は非常に高価になってくる。温度を下げれば容器のコストは下がるが熱損失が増大する。

そこで圧縮機で断熱圧縮されて高温となった空気を他の熱媒体(水)に吸熱させて気体を冷却して圧力を低くして低温高圧気体として蓄える。
この時の吸熱は水の顕熱及び潜熱として別個比較的低温で蓄えておくと無駄なくエネルギーを保存できることになる。
これは、一見圧力と熱で二重にコストが懸かりそうに見えるが、分けた方が単位エネルギーあたりの蓄積コストは下がることになる。

圧縮性の無い液体であればこのような複雑なことをする必要はなく、揚水発電のように水を高いところにくみ上げて
位置エネルギーとして保存すればよく、実際に夜間電力を人造湖にくみ上げて利用されている。


4 電力安定化   蓄積された高圧空気に熱を戻して圧縮空気熱機関にて動力(電力)に変換する。
太陽熱の途絶えたとき、または太陽熱以上の電力需要の時は、貯蓄エネルギーから発電することが必要となる。



これらの特徴を備えた太陽熱発電の概要を下図に示す。

これは、本システムの外観を表し、主要設備として、

太陽光反射集光部

バーチカルヘリオスタット(平面リンク機構による角度制御)により、一カ所の追尾機構より全てのミラー反射角を制御して、機構の簡素化及び
ミラーの立体配置により設置面積を小さくするすることで、従来方式の1/10以下のコストを実現する。

高温作動可逆熱機関

太陽光の高度集熱により1000度以上の高温から、圧縮空気熱機関の原理にて空気を高温に加熱して可逆動力に変換を高効率にて行い
現存発電所並の総合効率50%以上を実現する。(最新太陽電池のメガソーラーでも20%以下である)

エネルギー保管部

可逆動力変換にて熱エネルギーを圧力と熱に分離保管して、蓄積単位あたりのコストを下げると共に変換損失を低減する。
図にてはタンクとして示してあるが地下建造空洞にて可能で大規模になるほど建設コストが下がる。
外部電力に余りが生じた場合は、外部電力の蓄電機能としても働き、現存揚水発電以下の蓄電コストを目指し、
火力ガスタービンと同等の応答性を実現する。



上図は本システムの動作概略図を示す。

太陽光発電時 
 常温蓄圧タンクからの圧縮空気は蓄熱タンク(蓄熱媒体は水として)および排熱熱より熱交換されて高温となり
 太陽光が集光して超高温となった集熱器にてさらに超高温域まで加熱されて膨張器にて動力に変換発電機を回して発電する。
このとき、必要発電量より太陽熱エネルギーが上回るときは、圧縮機にて大気を圧縮して、気体の断熱圧縮熱を圧縮熱吸熱器より蓄熱タンクに熱貯蔵し、蓄圧タンクには常温となった圧縮空気として貯蔵する。

太陽光+内燃機関(曇りなど太陽光が十分でなくなったとき)
 集熱器にて十分な高温に至らないときは燃料(LNGなど)を内燃させ、太陽熱に附加して燃焼熱を加えて発電機を運転する。

内燃機関発電時
 太陽光得られないときは、通常の火力発電となる。

貯蔵エネルギーによる発電
 蓄圧タンクからの圧縮空気は蓄熱タンクの熱を受けて中温高圧のガスとして膨張器を駆動して発電する。
この時、ガス温度が低いと十分な熱効率が得られないので燃料による熱の補完して運転することにより総合効率を高く維持することが可能となる。

貯蓄エネルギーの直接利用
蓄圧タンクの圧縮空気は冷熱源としてエアコンとして、蓄熱タンクの加熱水は温水暖房、蒸気として各種施設ではそのまま利用が可能である。
これらの低温はヒートポンプ効果により得られる熱源であるので、太陽熱をそのまま利用するより4-5倍の熱効率(100%を超える)で利用可能である。


以上のシステムにより、自然エネルギー利用率は増加しても、スマートグリッドなどの電力安定化制御は不要となり、
スマートグリッドの機能を持ち合わせる無公害(火力時は低公害)高効率パワープラントとなる。


附則  太陽電池による発電との比較
1 太陽電池では小型でも大型でも効率は変わらないが、本システムは大規模が必要となる。

2 曇りが比較的多い日本では不向きとされ、曇りでも発電できる太陽電池が有利とされているが
太陽電池であっても曇り時は殆ど発電不能であり、太陽電池である程度の発電が期待できる薄曇り程度であれば集光も可能となり
気候の特質と発電量は余り大きな差が無く、太陽熱発電効率が高い分太陽電池より有利となる。

3 太陽電池では天候による電力変動が大きく、別個スマートグリッドのような安定化が必要とされてくる。

4 太陽電池では一部に陰が生じると全発電量が極端に低下するが、本システムでは陰になったエネルギー分だけの減少で済み、
ミラーの一部破損が生じても運転は継続でき、システムの信頼性が非常に高くなる。
(陰と太陽電池の発電効率はMPPTのページに解説あり)

5 太陽電池でも長期間の劣化が問題となるが、本システムではミラー劣化しても交換が容易であり、
補修に際してのコストが低く、長期にわたり低コスト安定運転が可能である。

6 現在の太陽電池コストでは、規模が大きくなれば本システムの方が設備コストが少なくて済む。
 (設備に懸かるエネルギー使用量が低くなり、トータル環境負荷が低くなる)

※最新大型太陽電池発電システムで1MWあたり約5億円の投資額のようなので、本システムにて同等額で実現できれば
電力安定化の効果も附加されるので十分に市場価値が出てくることになる。

概略試算として 1MWシステムを想定してみると
集光部面積  1000kw / (集光効率80%)* (太陽光強度kw/m2)* (発電効率50%)=2500m2
高めに見積もって 5万円/m2にて 1億2500万円  (目標2500万円)
発電機                  1億円       (目標2500万円)
熱機関                  1億円       (目標2500万円)
貯蓄施設(地下タンク)        1億円        (目標5000万円)
土地、その他施設           1億円        (目標5000万円)
大雑把に多めの予算としても、トータル約5億円(目標2億円)なので、それほどの苦労なく建設できそうである。
         (圧縮空気熱機関だけは開発費だけでこれを上回る可能性もなくもない)  

以上 本システムはメリットが非常に多いのではあるが、大規模でなければ実現不可能である。
また、本システムでは給湯、暖房等の低温熱を利用すれば、利用効率はほぼ100%の太陽光の有効利用が可能であり
病院、ホテルなどの施設に並設すれば安全無公害の非常電源ともなり、太陽電池より数段優れたコストパフォーマンスとなる。


上記システムに関してご興味ある研究機関、企業にて研究開発にご助力または主体として実証のご要望ございましたら
お問い合わせ御願いいたします。(機関企業体がしっかりしていればNEDO等による支援補助も可能かと思います)

LNG冷熱利用
 (LNG冷熱は今の所は冷凍以外にはほぼ活用されていないらしいので)  2011/2/13追記
LNGタンクから気体のガスに戻すとき-200度に近い極低温から常温にするときの熱は単に捨てられているらしい。
この冷熱源は動力に変換するときカルノー理論効率で非常に高い変換効率を持つ熱源であり、
低温-200度と常温20度の温度差は220度で、温熱の220度はあまり有効に動力変換できないが
η=1-Tl/Thより 1-(73K/293K)=0.75 で75%の理論熱効率となり、高温1200度と同等の高品質の熱エネルギーであると言える。
(逆に言い換えると運搬のために液化するには膨大なエネルギーを消費している)

このエネルギーは本システムの「蓄圧タンク」に相当するものであるから、これの置き換えにて冷熱機関として作動可能となる。
この場合「蓄熱タンク」熱は外気との熱交換により同じ作用を得ることが出来る
(但しlLNGタンクは作動に要する圧力上昇には耐力がないため、圧縮空気熱機関の容積型を適用してLNG冷熱機関として
圧力脈動にてタンク自体に高圧の懸からない構造として実現できる。)

LNG冷熱機関としては不可逆の運転しかできないので、LNGのガス化需要と合致しないと効率に変動が大きくなるため
本来の本システムと複合することでより高効率運転が可能となる。
また高温熱源と比較して温度差が少ないため熱交換効率が支配的となるため、
スターリングサイクル等(外燃機関サイクル)では余り効率化出来ていないのが現状であろうと思われる。
 以上を鑑み冷熱エンジンにも応用を広げて見ました。


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