回生過給エンジン    圧縮空気熱機関の一応用サイクル     2010/11/22
※回生蓄圧過給法は半年ホンダさんの先願にて特許権利化出来ませんでした。2015/2
なので、ホンダさんから同様な技術を用いたエンジンが発表されるかもしれません・・・なんせ世界のホンダですから。



特徴は回生(エンジンブレーキ)利用時に圧縮行程で行われる圧縮動作にて吸入空気を一時蓄圧して
加速時に蓄圧された空気を圧縮行程にあるシリンダー内に加圧過給して過給器無しにて過給を行うものです。

また、低出力時は圧縮行程での圧縮空気を保存することで、膨張比はそのままで正味圧縮比を下げて
燃焼ガスの膨張比を大きくして熱効率を上げる効果もあります。
アトキンソンサイクル(トヨタ仕様?) ミラーサイクル(マツダ仕様?)と呼ばれる省エネ熱サイクルで実用化されているものです。
これらは、吸気過程のバルブの開閉タイミングをわざわざ非効率にして最大吸気をさせない様にして実現していますので、
熱効率は良くなりますが、出力は非効率にした分少なくなります。

高出力時はターボが効いた状態での作動と同じで、背圧がターボより低くなるため、より高出力とすることが出来ます。

以下に、代表的な4サイクルエンジンでの各サイクルイメージを示します。
(排熱回収も可能ですが、ここでは除外)



始動時 蓄圧器からの圧縮空気をシリンダーに導入してクランキングまたは低速回転させる。


単純に空気エンジンとしての動作となります。(内燃機関と違いこのサイクル中はシリンダーは冷却されます)
シリンダーが加熱されているときは、冷却効果とシリンダーからの熱を動力として回収も可能となります。
(従来冷却損失となっていた熱量の熱回収手段となり、制御法によっては水冷も不要になる可能性も秘めています)
基本的に3気筒以上有れば、クランク角に依らず空気圧のみでの始動が可能となり、アイドリングは不要。
※圧縮空気をシリンダー内に導入後燃料を噴射すれば、エンジンスタートしそうですが、圧縮空気の温度が低いため困難となります。
※空気エンジンとして通常運転も可能であるが、蓄圧空気量とエンジン冷却により長時間の運転は効率が良くない。


制動時
  制動エネルギーで大気を蓄圧器に蓄圧する


単純に圧縮機としての動作となります。  駆動源は制動力(慣性エネルギーの回生)
より制動力が必要な場合は圧縮過程に蓄圧空気を逆流して逆トルクを発生して、蓄圧空気の増圧をします。



内燃時  ガソリンorディーゼルエンジンとしての動作 
※この過程がホンダの先願と被りました。世界のホンダなら実用化してしまう可能性が非常に高いと期待できます。


加速/高出力  圧縮行程にて蓄圧空気をシリンダー内に導入して過給して出力を増大させます。
           過給に掛かる動力は回生動力により、エンジン出力を消費しないので、効率の良い出力増大効果が得られます。

減速/低出力  圧縮行程にて圧縮させた空気を蓄圧器に送出して減圧、圧力エネルギーとしてエネルギー回収
          結果、実圧縮率が小さく膨張率が大きくなり燃焼ガスのエネルギーを無駄なく動力に変換可能となる。

また、蓄圧器に圧力が十分になったときは、間欠的に空気エンジン作動させると、シリンダー冷却及び冷却熱回収により、
排熱空気エンジンとして、さらに熱効率を上昇させることが可能となります。


このサイクルを実用化にあたり、課題としては以下のものが上げられます

圧縮空気制御バルブが増える。
(従来バルブレイアウトままで行う方法もありますが、ここでは割愛しています)

燃料制御について、燃焼に供する実空気量により、燃料噴射量を制御させる必要がある。
現存ディーゼルまたシリンダー内燃料噴射であれば圧縮空気制御バルブの追加で機構的には可能となる。

一般的なガソリンエンジン(吸気部燃料噴射)では、圧縮空気に新たに燃料噴射機構を追加するか、
圧縮混合気と大気吸気より最適燃料噴射量を計算する必要が生じる。

圧縮空気制御バルブは制御がクランク回転角との関係がなくなるので、油圧または電磁駆動のデジタル制御が必要となる。

基本的に排気ガスの温度が下がるので、排ガス処理触媒機構のバイパス等の手段が必要となる可能性がある。

ただし、現状のエンジン制御技術にては大きな問題ではなく、現有エンジンの改良程度の技術開発にて十分である。
また、本サイクルの実装に当たって重量増加は僅かであり、コストも小さく、省エネ効果対費用効果が優れる。
(セルモーター、始動用バッテリ、水冷機構、過給器等の省略により、軽量化及びコスト減となる可能性もある)

最近発表されたIHIの電動アシストターボにて燃費が1割改善するとの勘定されているので、理論的にはそれ以上が可能であろう。
勿論、背圧ターボ発電機も電動圧縮機もバッテリーも不要なのでコスト比でも優れることになる。
また、このシステムでもターボラグが無いことを特徴としているが、圧縮タービンの慣性力に遅れは生じるため、
本回生過給システムでは圧縮機の慣性が無いため電動ターボ以上にラグは生じない。

この制御では、大したコストカットにはなりませんがガソリンエンジンではスロットルバルブを無くすこともできます。
(ディーゼルでは元々ありませんが、排気ブレーキは省略可能になります)
ただ、これらにより効率は上がりますが、排気温度が下がってしまうので触媒にバイパスなど諸問題の発生の可能性が出てきます。
排ガス温度を余り下げずに触媒後の排ガスの排熱回収することにより、この問題も解決できるものが圧縮空気熱機関
となりますが基本的に従来のエンジンと基本サイクルが変わってきます。



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