近接センサー 性能テスト
センサーの距離検出性能の簡易テスト結果 2008/8/23
近接センサーの出力を試作カウンターによりカウントし、距離とカウント値の相関及び繰り返し精度を測定。
カウンター仕様 (試作品)
入力チャンネル 8ch 250カウント毎の入力カウント数 カウント毎にチャンネル切り換え(切り換え周波数1KHz以上)
CPU クロック クリスタル8Mhz
電源 PCからの5V
出力 シリアル 19200bps ASCII 8チャンネルデーター連続送出
※本カウンターは8個の近接センサーを密接配置して磁気干渉無しに測定し、CPUのI/O数までの拡張可能
さらに、カウンターを複数通信して、理論的センサー配置は制限無しで、上記精度にて1000個スキャンが1秒以内で完了
試験環境 室温20度
検出体 アルミ15mm角柱面
0.1mmの距離において 繰り返し精度 +/-2μm カウンター数値 +/-2
※計測用として1/100mmの精度が容易に実現できた。
温度 温度変化にて変動するが、時間とともに +/-2カウントの範囲にて安定
安定繰り返し距離 4mm おおよそ0.1mm/1カウント増減
カウント数安定度 室温一定にて +/-0.5カウント
本グラフは縦軸がカウント数 横軸がコイル側面からアルミ面の距離を表した物。
強磁性体(鉄など)では線形が横軸に対称の形になります。
上記線形はX^(1/5)乗数にてほぼ比例線形に変形することが出来ます。
結果
近接センサーとして他社高精度距離検出センサーと同等の性能を示し、
センサーの磁気干渉(密接配置)なしに高速センシング1kHz以上でのON/OFF作動にても精度の劣化は見られなかった。
電源もPCからのスイッチング電源であっても高精度が確保される事を確認。
カウンターの高精度(CPUクロック依存)精度及び電源ノイズ除去によりさらに高精度化が予測でき、
一般的な制御CPUのカウンター利用にて上記精度は確保できることが確認出来た。
また計測用センサーとしての利用も十分な精度が確保できている。
金属透過検出 2008/8/31
一般的な近接センサーでは不可能だった磁場の金属を透過して検出が可能。
非磁性体(アルミ 銅 オーステナイト系ステンレス など) 厚み0.5mmまでの板にテスト近接センサーを接着して、金属面上の非磁性体及び強磁性体の検出が可能。
アルミ箔程度であれば磁性体検出には大きな影響はなく、アルミ箔の有無も同時検出。
強磁性体(鉄板) 0.1mm鉄板にテスト近接センサーを接着して、金属面上の非磁性体及び強磁性体の検出が可能。
上記結果はチップインダクタによる検出であり、インダクタコアの専用設計により上記性能は飛躍的に上げることが可能。
磁場検出(磁石) 強磁性体を介しては、鉄板0.5mm程度まで検出可能。
非磁性体ではほぼ透過(磁石の磁場が殆ど透過される)
尚、磁石は一般的なフェライト磁石(φ10*5mm)にて、コイル面からの距離15mm程度の検出が可能。
ネオジ磁石(φ3*2mm)では30mm程度の検出が可能。
この磁場検出はモーターのケース越しにローター位置検出に利用可能と推測される。
電流測定 2008/9/1
電流センサーとしての性能を測定
電流は22uH DC抵抗0.05Ωのインダクターに流し、そのインダクターを近接センサーインダクターに両面テープにて隣接固定させた簡単な物である。
4mA時のカウンター値は6324、0mA時は3250であり、この条件下での最高分解能は20μAとなる。
この測定用に利用したインダクターは2Aの電流容量があり、0.05Ωの抵抗値で20μAの測定が可能なことを確認できた。
この測定電流は直流は勿論、ACも測定可能あり瞬間の電流も検出可能である。
また、電流測定専用であれば、インダクタをCTコイルを用いれば高精度、高分解能での測定が可能であり、
大電流であれば測定インダクタに電線を巻き付ける程度で測定が可能になる。
(大電流の検出であれば電線またはトランスに近接することで大まかな電流を検出可能)
この特性は従来の電流検出センサーに比較してコストパフォーマンスの優れる物となる。
低抵抗(低損失)で高精度増幅器を含まないのでコストの桁が一桁変わると想像される。
距離電送信号試験 2008/9/6
センサーよりイヤホンコード(平行線 DC抵抗4Ω)5mの信号線にて安定したパルス信号が確保できるかテスト
5mの信号線にて、束及び引き回し状態にて信号の安定性に変化無し
磁石にて磁場の変化を加えてもパルスカウント数値に変化無く、パルスの乱れも見られなかった。
従来のアナログ近接センサーの様なノイズ対策不要。
しかも、センサー複数の信号線をまとめても、パルス信号は一本のみ(高速スキャニング)なので相互誘導の心配もありません。
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