小線源打ち込み法


これは、小さな放射線源を体内に埋め込み、最小限の放射線で治療するもので、今までは小さい腫瘍に対して行われる。
一部前立腺などは画像位置から挿入位置を特定して挿入しているが、口腔等は画像で確認して手探り(熟練技)で挿入している。

また線源が粒状(Auグレイン等)で表層のみの腫瘍であれば表層に埋め込み治療する。
(この場合は、線源はずっと埋め込まれたままで、表層に装着したりして、食事も出来るほど患者にやさしい治療である)
少々大きくなると、厚みがあるために40mmも長さの有るホッチキス状の線源ピンを差し込み、体内に固定する。
(この場合は、埋め込み、取り出しに相当の苦痛があり、埋め込み状態で数日間過ごすがこれにも相当の苦痛が有る)
また、腫瘍に対して長い線源を用いることで、必要の範囲に以上に放射線を浴びることになる・・・術後の口内炎が酷いのも一因であろうと思われる。


従来法では、熟練技に頼っていたため、粒状線源を腫瘍に三次元的に最適配置することが出来なかった。



1 そこで吸引カップで、舌をカップ内に吸引固定して、画像を撮れば、腫瘍とカップの位置関係が測定できる。
(カップ材質は均質なので生体組織と区別は明確に可能である)

2 三次元CADに画像にてカップの特定位置から腫瘍の外周部を1-2mm感覚でXとY方向に測定して
CADに測定点をプロット(入力する)とともにカップの形状も同様に入力する。 これで2次元座標が入力されたことになる。

3 続いて、Z(スライス厚み方向)をCAD座標のZとして、腫瘍及びカップ座標を入力し、必要なZに対する画像を取り込む。

4 腫瘍とカップの入力点をCADにて”面”またはソリッドとして定義(感覚的に判れば 無理に変換しなくともよい)

5 腫瘍部に対して線源からの放射線範囲を半径とする”球”を配置して腫瘍が放射線範囲となり様に立体的に配置する。
(この辺りの作業は数学的に求められるので、予算があれば専用ソフトを作成すれば足りる)

6 カップに対して、施術が行い易いところを線源打ち込み面「深さ(Z)として指定する平面(XY)」と原点(xy‥000)を決め
さらに、それをCAD基準座標に設定する。
※下図の基底面がXY平面として平面の角一箇所を原点0、0,0として基準座標と設定する。

7 線源打ち込み面に対する”球”中心より打ち込み面にインサーター相当の穴を開ける。
※グレイン中心をインサーターガイド穴(X、Y)に対する挿入深さ(Z)をそれぞれ測定

8 カップに穴の開いた形状の3Dデータが出来るので、吸引孔を追加して、その形状を3Dプリンターで出力する。
3dプリンターはオモチャレベル物でよく、透明な樹脂であれば良いが、表面は溶剤で溶かして滑らかに仕上げる。

9 仕上がったカップを患者に装着して吸引する。

10 線源打ち込み面の穴に沿って、それぞれx,y位置に対する深さ(Z)に線源をインサーターにて留置。

11吸引を停止、大気圧開放してカップを取り外し、施術完了。

撮像用カップの制作 (舌部に限り、個人差は大きくないと思わえるので 靴の寸法程度の型データで足りると思われる)
1 舌を施術しやすい位置に引き出し、様々な角度から写真を撮る。
2 写真を3dデータにするソフトに入力して3D座標データ化する。
3 CAD等でカップの厚み、吸引穴等必要な形状にし、ソリッド化して3dプリンタで出力
4 表面を滑らかにして、装着テスト 良ければ装着してMRI撮像
(カップとMRIの固定できるブラケットを用意しておけばより正確な位置が測定できる。
5 このカップデータは前記インサータ-ガイド付きと同じ内面形状データなので、前記のカップデータ取得を省略しても座標系を
合わせてあれば可能である。


※これに必要な 3d化ソフト 3dCAD はフリーソフトが有るので無料でお試しでき、3Dプリンタは国内製品で5万もあれば購入出来、
アキバであれば、指導から出力まで代行してくれるところもあると思われるので、技術的な敷居は低い。